医療費控除の確定申告のやり方が平成29年度から大幅変更で要注意

2018年2月25日

平成29年度より医療費控除の確定申告のやり方や作成コーナーでの入力方法が大きく変わり、今までの領収書をまとめて提出し金額を入力するやり方ではなく、入力する内容が大幅に増えます。

医療費控除は2つから選択になる

はじめから注意です。

注意平成29年度以降の医療費控除はセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)との選択だけだと思っている方は注意が必要です。確定申告書等作成コーナーの医療費控除の入力項目も大幅に変わり、手間は今までの比ではないほど増えそうです。但し、経過措置として、平成31年分の確定申告までは、医療費控除の明細書の提出に代えて、医療費の領収書の提出又は提示によることもできます。 以降の【医療費通知(「医療費のお知らせ」など)を利用して入力する】を選択して金額を入力して領収書を提出すればいいと思いますが、この方法でいいのかは確定申告時に確認が必要です

確定申告特集

平成29年度の確定申告分から『医療費控除の明細書』の添付が必要になり医療費の添付又は提示の必要は無くなりました。

医療費控除は領収書をまとめて封筒に入れて提出と今まではそうでしたが、平成29年度より大きく変わりました。一見添付義務が無くなったので便利だと思うかもしれませんが、今後医療費控除を受ける場合は今までよりも手間がかかります

医療控除についての重要なお知らせ(国税庁PDF)

注意セルフメディケーション税制と今までの医療費控除のどちらかの選択になります
まずは医療費控除かセルフメディケーション税制を選択します。

その前に2つの違いを確認して下さい。

医療費控除

医療費控除とは、その年の1月1日から12月31日までの間に自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が10万円又は、その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額を超えるときは、所得控除を受けることができます。

但し、保険金などで補填される金額は実際に支払った医療費より差引いて計算しなければなりません。入院費用が10万円で保険金の補填金額が9万円ならば1万円の医療費ということになります。又、医療費控除出来る最高金額は200万円までです。

医療費控除を受けられる基準
  • 支払った医療費が10万円を超えた場合
  • 総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額を超えた場合

医療費控除について(国税庁)

セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)

平成29年1月1日以後に自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の特定一般用医薬品等購入費を支払った場合において、その年中に健康の保持増進及び疾病の予防への取組として一定の健康診査や予防接種などを行っているときには、通常の医療費控除との選択により、その年中の特定一般用医薬品等購入費の合計額(保険金等により補填される部分の金額を除きます。)のうち、1万2千円を超える部分の金額(8万8千円を限度)を控除額とするセルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)の適用を受けることができます。
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について

注意*セルフメディケーション税制は医療費控除の特例であり、従来の医療費控除との選択適用となりますので、いずれか一方を選択して適用を受けることになります。

セルフメディケーション税制と従来の医療費控除との選択適用について(国税庁)

医療費控除とセルフメディケーション税制の優劣

医療費控除:限度額が200万円 適用範囲が支払金額が10万円を超えた部分の控除
セルフメディケーション税制:限度額が8万8千円 適用範囲が支払金額が1万2千円を超えた部分の控除

通常の医療費控除は限度額が200万円ですが、10万円を超えないと適用できません。それに対してセルフメディケーション税制での控除は限度額が8万8千円ですが1万2千円を超えれば適用を受けられます

毎年医療費が大きい家庭では通常の医療費控除の方が範囲が広いのでいいと思います。ただ年間通して8万8千円を下回る医療費ならばセルフメディケーション税制での控除の方が有利です。ご家庭に合わせた控除を検討して下さい。

確定申告等作成コーナーでの医療費の入力方法も変更

以下は確定申告書作成コーナーでの画面になります。

医療費控除をクリックしたらまず医療費控除かセルフメディケーション税制を選択をします

医療費の選択

医療費控除を選択した場合

医療費控除を選択した場合の画面が以下になります

医療費控除を選択した場合さらに4項目のなかから選択
  • 医療費の領収書から入力する
  • 医療費集計フォームを読み込む
  • 医療費の合計額のみ入力する(別途作成の明細書を提出義務あり)
  • 医療費通知(「医療費のお知らせ」など)を利用して入力する
医療費控除を選択した場合さらに4項目のなかから選択になります

医療費の領収書から入力する

【医療費の領収書から入力する】を選択した画面が以下です

医療費控除の入力

【入力する】をクリックした画面が以下です

医療費控除の入力

1件ずつ入力していくのは途方もない手間です

医療費集計フォームを読み込む

【医療費集計フォーム】を選択した画面が以下です

医療費控除の入力

【「医療費集計フォーム」のダウンロード及び詳細についてはこちら】とかかれた文章をクリックした画面が以下です
【医療費集計フォームダウンロード】をクリックします

「医療費集計フォーム」は以下の表計算ソフトでないと動作確認がとれていないそうです
・Microsoft Office Excel 2010
・Microsoft Office Excel 2013
・Microsoft Office Excel 2016
・Microsoft Office Excel for Mac 2016
・LibreOffice 5.3
・LibreOffice 5.4

医療費控除の入力

ダウンロードしたExcelの画面が以下です

医療費控除の入力

医療費の合計額のみ入力する

【医療費の合計額のみ入力する】を選択した画面が以下です(別途作成した明細書が必要です)

医療費控除の入力

支払った医療費の合計額と生命保険や社会保険などで補填される金額を入力する

金額入力は簡単ですが、結局以下の「医療控除の明細書」の提出が必要で今度は書く手間が増えます。

医療費通知に関しての金額の記載と薬局などで購入した金額を分けて記入しさらに医療費通知は添付の義務があります
薬局などの支払先の名称ごとにまとめて記入することができます

医療控除の明細書(国税庁PDF)

平成29年度の確定申告は私はこの【医療費の合計額のみ入力する】を選択して、今まで通り封筒にレシートを入れて合計金額を入力して終了させました

経過措置で平成31年までは今までの形でいけるようです。そうなので現状ではこの方法が一番楽でしょう。しかし、それ以降に関しては選択制になります。また入力に関しても以下のように税務署で聞きました

経過措置が終わった後の医療費控除の変更に伴う入力のやり方
  • 基本的には扶養家族1人ずつ以下の内容で分けて入力
  • 1医療機関は金額をまとめられる
  • 薬局などは購入した薬局ごとに金額をまとめられる

結局、どの形を取っても平成31年よりは途方もない入力手間が増えるのは確実です。

医療費通知(「医療費のお知らせ」など)を利用して入力する

【医療費通知(「医療費のお知らせ」など)を利用して入力する】を選択した画面が以下です
【書面の医療費通知を利用して入力する】・【医療費通知データを読み込んで入力する】どちらかを選択します

医療費控除の入力

書面の医療費通知を利用して入力する
この場合、医療費通知(原本)を確定申告書に添付して税務署に提出する必要があります。
なお、医療費通知に記載されている医療費については、領収書を保存する必要はありません。

医療費通知データを読み込んで入力する
この場合、「医療費控除の明細書」の入力補助として医療費通知データを使用しますので、領収書を確定申告期限等から5年間保存する必要があります。
医療費通知を書面とデータ形式の両方お持ちの場合は、以下のいずれかの方法により入力してください
医療費通知を書面とデータ形式の両方お持ちの場合の入力方法

【書面の医療費通知を利用して入力する】を選択して金額を入力する画面が以下ですが、簡単そうですが結局、薬局などで購入したものを入力しないといけません

医療費控除の入力

【医療費通知データを読み込んで入力する】を選択して金額を入力する画面が以下ですが、こちらも結局、薬局などで購入したものを入力しないといけません

*読み込むことができるファイルは、拡張子が[.xml]となっているものに限ります

注意但し、経過措置として、平成31年分の確定申告までは、医療費控除の明細書の提出に代えて、医療費の領収書の提出又は提示によることもできます。 【医療費通知(「医療費のお知らせ」など)を利用して入力する】を選択して金額を入力して領収書を提出すればいいと思いますが、この方法でいいのかは確定申告時に確認が必要です

医療費控除の入力

セルフメディケーション税制を選択した場合

セルフメディケーション税制の適用を受けるためには、平成29年中に健康の保持増進及び疾病の予防として一定の取組を行ったことを明らかにする書類が必要です。

健康の保持増進及び疾病の予防として一定の取組を行ったことを明らかにする書類

医療費控除の入力

取組内容の確認(セルフメディケーション税制)
  • 健康診査
  • 予防接種
  • 定期健康診断
  • 特定健康診査・特定保健指導
  • がん検診
  • その他
上記6つの中から1つを選択し【証明書発行者の入力】欄を入力の上【次に進む】をクリックした画面が以下です

医薬品の領収書から入力するを選択した場合

【医薬品の領収書から入力する】を選択した場合の画面が以下です

【入力する】をクリックした画面が以下です

医薬品の購入金額の合計額のみ入力するを選択した場合

【医薬品の購入金額の合計額のみ入力する】を選択した場合の画面が以下です

「セルフメディケーション税制の明細書」のダウンロードはこちら

注意医薬品の購入などは1つの項目で入力していけますが、はじめの取組内容の確認の6つの項目で違うものがあればその都度1回1回同じやり方を繰り返すことになります

新しい医療費控除のまとめ

経過措置として、平成31年分の確定申告までは、医療費控除の明細書の提出に代えて、医療費の領収書の提出又は提示によることもできます。 【医療費通知(「医療費のお知らせ」など)を利用して入力する】を選択して金額を入力して領収書を提出すればいいと思いますが、この方法でいいのかは確定申告時に確認が必要です

確定申告特集

お国のすることにイチイチ文句を言っても仕方ありませんが、今までは

今までの医療費控除は1年間の医療費の領収書をまとめて合計金額を出して確定申告時に提出するだけ

でした。合計金額と保険などの補填金額だけわかれば確定申告の入力はあっという間に終わりましたが、平成29年度より大きく入力は変わりました。経過措置が平成31年度まで取られているので、2年間はかわりませんが以降は医療費控除を選択すればある程度、薬局や病院にわけて入力したとしても入力手間は大幅に上がります。

年間の医療費が高い人ほど手間は膨大になる

記入内容に病院名や家族の名前も記入しますので大変です。個人的な感想ですが、

平成31年度以降は医療費控除を選択したならば【医療費集計フォームを読み込む】で医療費集計フォームダウンロードしてExcelで入力するのが1番楽そう

だと思います。ここは個人的な主観なので決めつけはできませんが、コピーも楽ですしExcelに慣れている人の割合も高いと思います。

しかし、今までの手間から比べれば雲泥の差です。31年度以降の医療費控除はこの手間で確定申告会場は大混雑するでしょう。知らない人が多いと思います。また、パソコンに慣れた人はいいですが、確定申告会場に行ってみると、年代的には40代より上の人が多いです。

年齢層が上だから入力も遅いとは言いませんが、入力手間は格段に増え、しかもパソコン入力に慣れていない人も多いので、確実に確定申告会場は混乱・混雑するでしょう。国も増える一方の医療費をこういう形で抑えたいのかはわかりませんが、納税者にとってはバージョンダウンの内容です。

こういった手間を考えれば【e-Tax】国税電子申告・納税システムに移行する人も多いのではないでしょうか。医療費は封筒にまとめて提出が慣例化しているだけに、

29年度以降の医療費控除の確定申告は十分先に知識を持って行った方がいいと思います。

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