FXのレバレッジ規制で10倍になれば何が生み出されるのか?

2018年2月14日

レバレッジ10倍

2017年10月頃より金融庁が顧客保護のためなのか何なのかFXの規制を強化し、レバレッジ規制が今の25倍から10倍程度にまで引き下げられるとの観測が出ました。まだ決定されたわけではないので、どうこう言うのはどうかとも思いますが、10倍に引き下げることが顧客擁護つながるのでしょうか?

日本のFX業者にはゼロカットシステムが無い

日本のFX業者は基本的にマージンコールやロスカットというシステムで一応の顧客の証拠金は守られるということになっています。但し、記憶に新しいかもしれませんがスイスフランショックと呼ばれる出来事がありました。

スイスフランに対してユーロ(ユーロスイス相場)は20分程度で最大で41%も下落する相場になったことで、元来守られるはずの顧客の資金はマージンコールもロスカットすら通り超えて追証(追加証拠金)というマイナスになった方も多くいました。

海外のFX業者ではこういったことを防ぐためにゼロカットシステムを導入しており追証はありません。ただ日本の業者はこれがあり多くの投資家が借金を背負ったわけです。ここが金融庁がレバレッジを25倍から10倍に引き下げる検討をする引き金になったのは間違いないでしょう。

マージンコールとは

マージンコールとは
  • マージンコールとは証拠金に一定の損失が発生した場合にFX会社が顧客に対して知らせることです。FX会社ごとに証拠金の維持率が決められており、その仕組みも業者ごとにより微妙に異なります。
  • マージンコールの解決にはポジションの一部を決済するか追加証拠金を口座に入金するかで証拠金の維持率を高めて回避できますが、それがいい方法であるとは思えません。

ロスカットとは

ロスカットとは
  • マージンコールが発生している状態でポジションの一部も決済せず、又、追加証拠金を口座に入金せず、証拠金の維持率維持率がさらに低くなった場合に、顧客の意志とは関係なく強制的にポジションが自動決済されることをロスカット又は強制決済とも呼んでいます。
  • ロスカットのレベルはFX業者によって異なります。又、自分でロスカットレベルを設定できるFX業者もあります。

スイスフランショックとは

スイスの中央銀行であるスイス国立銀行が2011年9月から維持してきたスイスフランに対するユーロの下限(ユーロスイス相場)を1.2000として無制限介入を行っていくという為替方針を2015年1月15日に突然撤廃、その結果ユーロスイス相場は一時41%の急落となる、主要国通貨においては過去に例を見ないマーケット変動となり金融市場に混乱をもたらした。この3年以上続いたスイス中銀による介入方針の突然の終了によってユーロスイス相場の急落(スイスフラン急騰)を受けたマーケット急変と、それによりもたらされた一連の事態のことを「スイスフランショック」という。

引用元:スイスフランショック:経緯とFX市場に与えた影響・問題点

ユーロ スイスフラン(EUR CHF) が大暴落したときの瞬間のチャート動画

FXのレバレッジが25倍から10倍に下がれば顧客保護なのか?

金融庁はどういった名目で10倍までレバレッジを引き下げると検討に入ったのかは定かではありません。しかし、これが顧客保護の考えだと言うのであれば、もはや『バカ』の思考としか言いようがありません。

レバレッジの原理を勘違いしている

本来レバレッジの原理は少ないお金で大きなお金が動かせる、いわゆるテコの原理に魅力があるわけです。たしかにスイスショックで泣いた人もいるでしょうが、それでレバレッジを規制するという考えはバカ丸出しとしか言いようがありません。

例えば100万円を入金していたとします。今ならばドル円でおおむね20万通貨取引出来るわけです。それがレバレッジが10倍になれば最大8万通貨しか取引できません。では同じ20万通貨を取引しようと思えばどれ位の入金が必要かと言えば250万円いるわけです。

では仮にドル円が瞬時に10円急落したとします。基本的には考えが同じなのでどちらも取引の損は-100万円です。仮にロスカットを通り超えたとして20円下がったとしても結果は同じでどちらも-200万円です。

ではもし、日本の業者のロスカットが0近辺でしっかり作動すれば20円急落時はどうなるでしょうか。レバレッジ25倍の口座は0です。同等の取引をするためにレバレッジ10倍の口座に250万円入れている方はしっかり20円急落分を取られます。片方は-100万円で片方は-200万円になります。

あくまでマージンコールもロスカットも通り超える急落などがあったとして、レバレッジを規制しても顧客が今までと同等の取引をしようと口座に多くのお金を入れれば、基本的には同じ損失を受けます。しかし、ロスカットが効いたとすればどうでしょうか、口座に多く金額を入金したほうが遙かに急落時に損失を受けます

これが顧客保護なのか?。簡単に言えば今までの通貨数で取引するような金額を入金するなということです。しかし、今まで慣れた通貨数を人は変えるでしょうか?。特に専業や投資家は余剰資金があるのであれば更に口座に入金する人もいます。

金融庁がすべきはゼロカット

今後どうなるのかはわかりませんが、

金融庁が規制すべきはロスカットの方法であり、ゼロカットの導入の義務付け

本来ゼロカットシステムさえあれば高レバレッジのほうが顧客は安全です。それは

FX口座に入金する金額が少なくていい

そういう事です。ゼロカットさえしてくれてレバレッジが100倍・200倍あるほうが、より安全にFXは出来るはず。それなのにそういった動きにならないのは、FX業者の意向もあると思います。ゼロカットが出来ない・しない・したくない理由があるのでしょう。

本来少ないお金で大きなお金を動かせてリターンが大きいのがFXの魅力のはずが、レバレッジを10倍にすれば間違いなく顧客は減るでしょう。また

レバレッジを低くすることはかえって口座の資金を増やすことによる危険が増す

そういったことにも繋がります。又

レバレッジが大きい方がFX口座への入金額が少なくなりレバレッジの意味をしっかり理解していればより安全になる

レバレッジを高くすると危険だとの言葉が先走りし、その本当の意味も分からずただただ警鐘を鳴らして規制するのは愚の骨頂でもはや頭の悪い思考としかいいようがありません。

高レバレッジを安易に危険だと思うのはどうなのか

高レバレッジで取引する事は危険だとよくいいます。しかし、レバレッジが高いことへの意味と危険をしっかり理解したうえでの高レバレッジでの取引はFXの一番魅力的な部分であり、他の投資よりも加速度的に資金が増える可能性のあるものだったはずです。

それが100倍・200倍から50倍そして25倍。そんな経緯をたどれば口座資金だけが増えてしまいます。元々私は30万円の元本で20万通貨や30万通貨といった取引ができた頃、一晩で元本30万円が120万円まで増加しました。

ではこれが危険なのかと言えば、最初に入金する金額をどうとらえるかによって変わってきます。それが生活がひっ迫した状況でのお金なのか、余剰資金なのかで考えは大きく変わります。

本来投資は余剰資金で行うべきで余剰資金ならば最初に入金したお金は0円になっても仕方が無いとあきらめて投資をはじめるべき

その気持ちとレバレッジの持つ意味をしっかり理解して、負けた時の高レバレッジの意味もしっかり理解したならば、高レバレッジは投資家を助けるものと言ってもいいはずです。問題はロスカットだけの話です。

追証になるケースはどれほどなのか

レバレッジの規制が投資家を追証から守るためだと言うのであれば、FXで1日、しかもロスカットを通り超えて追証がかかるような出来事はどれほどあったのでしょうか?。私が記憶する限り、リーマンショックやサブプライムのケースでも確かに1日通貨によっては10円20円動いていました。

しかしそのケースでロスカットは効かなかったのでしょうか?いやおおむねロスカットは正常に作動したはずです。単純に変動幅が大きく負けた人が多かっただけでFX業者が悪いわけではなく、それは単に投資家として相場に負けただけの人が多かっただけではないでしょうか。

2006年からFXを見続けましたが、私は

ロスカットを通り超えてしまうような出来事はスイスフランショック以外に特に見当たりません。

スイスフランショックは瞬時に急落しました。これがロスカットを通り超えてしまった原因です。リーマンショック時などは大きな下落でしたが何も数分で10円・20円と下がったわけではありません。何日もにわたり下落し続けただけでロスカットはおおむね効いたはずです。いわば

数十年間で1回だけ起こった出来事でアホのように投資家を保護するためという理論でレバレッジを規制するならば金融庁がトップクラスのアホです

レバレッジが10倍規制されて生まれるものは

レバレッジが10倍規制されれば色々と変わって行くでしょう。まず

FX全体の取引高・顧客数は確実に下がる

これは確実に起こるでしょう。それが一刻で収まるかどうかも見当はつきませんが、FX業者はFXに関しては大打撃だと思います。FXに関しては…。ではその後の動きはわかりやすい構図になると思います。

FXを活かしバイナリーオプションなどに切り替えるもしくは仮想通貨に主力を移す

私個人の主観ですが多分、仮想通貨にどっと顧客は流れるような気がします。ではFX業者は堪えるのか?一刻は堪えるでしょうしFXだけの業者ならば堪えるでしょう。しかし、仮想通貨を扱えばいいだけです。

もし規制になってFX全体のボラティリティが低下すれば、もはやFXに固執しなければならない理由もないので、投資家はこの投資から手を引くでしょう。私もボラティリティが低下すればFXに興味は無くなります

では次に来るのは仮想通貨なのかどうかは自分の中では簡単にそうはならないでしょう。

仮想通貨が全てFXになるのであれば参戦する

今、ビットコインに関してはFXと同じで売りからも参戦は出来ます。しかし他の全ての仮想通貨がそうなのかは私は今の段階ではよくわからないのが現実です。スプレッドや手数料に関してもまだ完全に把握していません。

しかし、現状のビットコインの動きには興味がないと言えばウソになります。売りでも買いでもボラティリティが大きいことは興味があります。しかし、大きすぎるボラティリティは危険だと思い何かシックリこないのも事実です。

1日で価値を半減するようなものへの投資は相当危険を伴います。またFXでいうスキャルピングのような短時間の動きで取引するのもチャートの動きを見れば何となく難しいとも思います。まあ、実際やってみて判断はしたいですが、FXと出会った時のような衝動は今の所無いのが本音です。

もう少し状況を見守りつつシステムその他も安定するならば検討の1つにはなるでしょうが、急速にこれだけで生きていくという覚悟は今の所99%無いような気がします。嬉しい誤算で1%が自分の思考を逆転してくれればいいですが。

2018年はFXにとっても岐路

私個人の見解ですが、日本人は基本的に買って保持し高くなれば売るという思考が多いと思っています。しかも2014年時点では日本の投資家が世界のFXの57%占める状態と言われていましたが、さらにこの%は伸びていると思います。

さらに取引高も顧客数もさらに当時より増えているでしょう。ではボラティリティは上昇するのかと言えば単純に取引高や顧客数とは比例しません。また日本人の投資気質的にどうもレンジ相場を誘導しそうな感じもしています。

ならば、逆発想ですが昔のFXの状態に戻れるのではないかと甘い期待が自分の中にないわけではありません。いわば低ボラティリティの原因の一つの投資家の激減がかえってFXのボラティリティを昔に戻してくれるのではないかという期待ももてないものなのか?

あくまで全て推論です。しかし、年々FX全体のボラティリティは下がっているように感じます。はじめた頃から比べれば格段に下がっています。ならば仮想通貨にある程度逃げてもらって、ある経済の流れなどで1度相場が動き始めれば、ボラティリティは今よりよくなるような気がします。

そういう意味ではレバレッジ10倍規制がどういった影響を及ぼすのかは、全てマイナスイメージを持たなくてもいいような気がします。まあ個人的見解ですが。

まとめ

レバレッジ規制など愚の骨頂と思っていますが、基本、今からレバレッジを上げることはもはや無いでしょう。どのレベルまでがFXを行う上で最低のレバレッジの限界なのかは余剰資金に比例するので資金が少ない人はFXから出て行くでしょう。

私も10倍以下になるようであればもはや魅力は無いといってもいいと思います。しかしレバレッジ10倍がどういうものを生むのか、はたまた何も規制をしないのかはわかりませんが、ここ半年の低ボラティリティを考えるならば劇薬ですが、今後を考えるとこの手は現状を変えるような気もします。

あくまで劇薬です。効果がどうなるかは基本的にFXの取引高や顧客数が減るのは目に見えてわかりますが、ボラティリティはどうなるのかわかりません。その劇薬を使って欲しくない自分と、その劇薬で元々のFXのボラティリティに戻るならと考える自分が交差しています。

ハッキリ言ってマイナス要因しかないような気もしますが、ここ半年近い低ボラティリティを考えれば、ふとその劇薬の効果をボラティリティを上昇することに繋がらないだろうかと考えてしまう複雑な気分の今日この頃です。

金融庁が識者を集めてこういった検討するのでしょうが、どんな頭の構造をしてレバレッジ10倍規制に踏み切るのか。今後、このお偉い方達の動向には注視しなくてはいけません。2018年が大きな意味でのFXの岐路になるような感じがします。

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